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諸々も言いたいこと
   
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ほぼ隔日の追加にします。

日本の教育どう思われますか(表紙に戻る)

2008年10月31日
「歴代社保庁長官に改ざん問題で報告求める 調査委」という記事が

 10月30日に日本経済新聞のサイトに出ていました。「調査委」というのは「舛添要一厚生労働相直属の標準報酬遡及(そきゅう)訂正事案等に関する調査委員会(委員長・野村修也中央大学法科大学院教授)」ということです。10月23日の時は「標準報酬改ざん問題、幹部職員にリポート提出要求 調査委」という記事です。標準報酬改ざんなどの実態を明らかにするために報告を求めるというものです。監督責任があぶり出されるでしょうね。
 大臣直属で、かつ、舛添要一厚生労働相の言動からすると官僚にとってはいやでしょうね。でも、役所は本来「国民のため」ですね。それがいつしか道を外れて「自己保身」と「自己増殖」を繰り返すようになってきたみたいです。帝国陸海軍もこの例から外れていないと考えられることから、日本の官僚の伝統かも。
 「社会保険庁の労働組合」については、相当前に「抵抗勢力」として取り上げられていました。そして、社会保険庁の解体に繋がっていってしまいましたね。あれだけ、「不正」「不誠実」がぞろぞろ出てきたら仕方がないですね。不思議なのは処分された職員は公務員として残るということかな。不思議な国ですね。
 役人は教育現場でも、昭和の時の学力テストで学校平均が90%以上という異常を何とも思っていない者が多数いたようです。身内意識内の競争でこのような滑稽なことが起こったりしていますから、保険庁のことなどたいしたことではなかったのかもしれません。でも、どれも国民にとっては堪ったものではありません。
 第二次世界大戦は官僚化した軍人が身内の競争で戦争を拡大していき、危うく天皇制を潰しかけました。今度は、各省庁の既得権益や国民にとって不適切な裁量行政で沈没しようとしています。
 日本を沈没させないためにも、舛添要一厚生労働相直属の調査委員会は徹底的な調査をして、実態を確実に公表してほしいです。このような仕組みを他の省庁にも作っていく必要があると考えます。

2008年10月29日
「金融機関の評価損、世界で260兆円 英中央銀推計」という記事が

 10月28日に朝日新聞のサイトで見つけた記事の見出しです。今回の金融危機の本質は「評価損」で「実質損失」はまだ確定できていないということ忘れて「評価損」で金融不安が増幅されているところですかな。
サブプライムローンを組み込んだ証券化商品ですね、これの評価の急激な低下がアメリカの金融機関を襲ったわけですが、低下の原因は「不安心理の増幅」と「自動売買システム」と「リスク判断の外部委託」と自分の頭で考えなくなったためかな。
 今、評価が著しく低下している債権を購入すれば、儲かる可能性は高いですね。でも、サブプライムなどの高リスク商品の混入割合がわかなければということでしょう。
 まあ、時価評価の導入を推進していたアメリカが時価会計の一時凍結を言い始めているそうです。難しいですね。評価基準を2つか3つもってそれぞれに対して会計基準を決め、それに則って3種類とかの会計報告を出させるしか方法はないのかもしれませんね。そのとき、資産について詳しい報告をつけさせるとかね。優良と判断できる資産をどの程度持っているかは投資家自身が判断するべきなのでは思うのですが、そのための情報公開をしっかりすることでしょう。格付け会社の格付けは「参考資料」と考えるべきかな。今回はこれに乗っかってしまって入れ込んでいったのも原因の一つでしょう。それで、「ばばをつかまされた」という感じです。サブプライム、というか、アメリカの住宅ローンの仕組みを聞いたとき「やばい」と思いました。その割には「ドル」をいくらか持ってます。

2008年10月27日
東京の妊婦受け入れ問題に関して、なぜ勤務医が不足するのか。

 10月25日に東京の妊婦受け入れ問題をうけて「医師会 2月に都に改善要望」という報道がされましたね。
 大きな問題を2つ挙げると、「女性医師の勤務」と「開業医との収入格差」かな。
 「女性医師の勤務」というのは各業種における女性の労働条件とも関係してきますね。日本の男の多くが理解できていないのですね。一部企業や看護師のようにほとんど女性だけという職場では結婚後も勤務できるように対策を講じているところが多いですね。また、育児休業後の復帰のための研修制度がなかったりとかです。多くの女性医師が結婚退職後、復帰していないとか。
 「開業医との収入格差」としましたが、収入の他、当直などの勤務時間に関わる問題もありますね。開業医主体の日本医師会が勤務医の労働条件に配慮してこなかった感じがするのです。開業医だけで重病人を治療してくれるのならよいのですけど、今回は開業医では無理ということで病院搬送ですね。ところが、病院の方が人手不足で受け入れを拒否した。一開業医の患者の問題ととらえることなく、全開業医の問題だと考えて下さい。基幹病院を指定しようが、そこでじっくりと勤める医師がいなかったら治療の進歩はないかも。重病人は海外へという中東みたいな状況になってしまう恐れがありますが、日本にはそこまでのお金はないはずです。中東でも一部の産油国しかできないことです。
 医療における収入の配分割合を考え直すことが必要になるでしょうね。病院が崩壊して困るのは国民ですが、開業医も困るはずです。軽い病気とか日常の健康管理は開業医、重病は病院というように分業ができ、どちらもぼちぼちの労働条件になるように診療報酬などを考え直す必要があるでしょう。
 取り敢えずの策は「産婦人科と小児科」の診療報酬を患者負担分は上げずに開業医を含めて上げること、病院の報酬はさらに上げること、ですね。「人は間違いを起こす」という前提の下、複数でチェックして事故を防ぐ仕組みをつくること。基本的には医師の過失責任を追及しないことですが、繰り返し同じようなミスを連発する医師の再教育制度とか、それでもダメなときは・・・。そして、診療報酬の不正請求や、事故を隠したり、ミスをごまかすためにカルテなどに虚偽を記載した場合は犯罪です。

2008年10月25日
高校入試において内申書はどの程度信頼できるのでしょうか

10月25日の朝日新聞社会面で都立高校に進学しない生徒の分の成績表を東京都教育委員会が集めていたことに対して、「東京都教育委員会などが無断で自分の成績表を収集したのはプライバシーの侵害だ」として都立高校に進学しない生徒が損害賠償を求めた訴訟で、東京地方裁判所は24日に『「成績表の開示は許容できない」と請求の一部を認め、学校側と東京都、新宿区に3万円を支払うよう命じた。』判決を出しました。
教育委員会側は進学しない生徒の成績を悪くして希望者の成績を底上げする恐れがあるからとかいう理由から集めていたというのです。これは、どこの教育委員会もそうでしょうね。
この仕組みが機能するためにはいくつかの条件が必要なのですが、文部科学省の学力テストでの騒ぎを見聞きすると全く無視されているでしょうね。
その1、全ての中学校の学力が同じで分布状況も同じである。
その2,その1を担保するために頻繁に統一試験を実施しているなどして判断基準を統一する努力をしていること。
など。
以前から地域格差はいわれていましたし、少人数校の分布のゆがみも指摘されていますね。内申書は厳密な意味では点数化できないものでは。する場合でも、各学校ばらばらの問題などによる価値基準でされていることを考慮する必要がありますが、していない。できっこないですよ。
ある県で聞いたことがあるのですが、内申書点はよいが学校が荒れていて十分な授業ができていないところの生徒は進学後の成績が、多くの場合、下半分以下になることか。
内申書は参考資料程度で使うべきですね。内申書重視の高校入試のお陰で中学校3年間が全て受験をなってしまいましたね。内申書で生徒を締め付けると荒れるとか。
一発勝負と嫌われていますが、当日の筆記試験などを主資料とする入試の方がよいのでは。

2008年10月23日
「中年ニート」という言い方があるのですね。

 10月23日の日本経済新聞社会面の連載「黒煙 浮かぶ死角 個室ビデオ店放火」のなかで総務省統計研修所教官の西文彦氏は「人生の目的を持たず、働きも、学びもしない中年世代」を「中年ニート」と呼ぶというのです。
こうした中年ニートが自暴自棄になって凶行に走るケースも目につくというのです。
どうも、日本の社会は個人の自立という面ではおかしな状況になってきているのかもしれませんね。
 「15歳の春に泣かすな」ですか、これだけに焦点を絞った感じの高校入試での総合選抜(公立高校入試において、複数校の募集定員をまとめて募集し、成績が均等になるように割り振るなどの入試制度)がありますが、理念とはかけ離れて勉強しなくても合格するからと漫然と受験してしまっている生徒の割合が多いとか。進学先での勉強にも身が入りませんね。その後の進路先を決めるときに安易な道を取りやすくなるようです。
一例としてあげましたが、幼児期からというより、人間は失敗を乗り越えて成長していきます。ところが、いつ頃からか、本来、してもよい失敗までさせないように大人が先回りするようになりましたね。このタイプの大人の先回りが悪い方に進んでいったのが「モンスターペアレント」かもしれませんね。
その結果、失敗を自己の成長にも使えなくなってきているようです。
 挫折を乗り越えたりしているうちに自己への洞察も深まり、自立していくものだと思います。それで、経験不足とか青年期に自立する心をが十分に育っていない大人が増えてきているのでは。結局、いつの時代も子供は大人の鏡ですね。そして、現在はこのような自立が十分でない親が子供を育てている割合が高くなってきていると思います。
外見だけが「大人で中身は子供」という大人ですね。
 ですから、少しでも挫折とかがあると人生に希望(目標)がもてなくなり、働きも、学びもしない状態に陥りやすいのではと思います。それを、増長しているのが企業の採用姿勢ですね。「新卒」に固執する態度ですね。これもいろいろな社会の状況において問題を醸し出していると思います。

2008年10月21日
企業のいう「優秀な人材」とは「入学歴」?

10月16日(木)放送クローズアップ現代で「“内定ブルー”の警告 〜就職活動がはばむ人材育成〜」という題で大学新卒の就職状況について放送していました。
「就職活動・内定の早期化」ははっきり言って「大学教育を無視」していることにはならないでしょうか。民間企業の就職活動は過酷を極めているともいえるかも。大学の授業が成り立たない。卒業論文に取りかかれる実質的な時期が秋以降になってしまうというのも異常でしょう。
その結果、大学で自己を高めるための授業やゼミ、卒業論文作成を十分にできずに卒業してしまっている人材を採用しているのですね。
大学教育の最後の非常に大事な時期の前に内定を出している。
これでは、入学歴だけを頼りに受け答えができるかどうかぐらいで「優秀な人材」とか判断しているのでしょうか。だから、工学系では、基礎学力がなくて困っている実例が出ていました。
早期に内定を得ても「どのように評価されたのか」とか、「本当にこの会社でいいのか」とか、「青い鳥症候群ではないですが、よりよいところを求めて」とかで、就職活動を終えられない学生も多いとか。
ところで、優秀な人材とかいっていますが、今の学生は「ゆとりプラス入試易化」世代ですね。就職氷河期の学生の世代の方が入試も難しかったし、高校までの授業もまだ酷いゆとりではなかった。
入学歴だけでいうと、就職氷河期の方が確実に上をいっているはずです。でも、企業は中途採用しようとしない。はっきり言って「人材を見る目がない」といっても過言ではないでしょう。
どの時代にも猛烈に優秀なのから、極端に出来の悪いのまでいます。ただ、平均すると氷河期の方が良い人材が多いように思います。
日本の企業というか、一部の国をのぞいて労働について間違った考え方が支配的になって来つつあるような気がします。その結果がワーキングプアの増加や過労死、自殺の増加に現れているようです。
それと、日本の長時間労働の根源は学校スポーツの長時間練習にあるのではとも思います。これは、帝国陸海軍などからの伝統もあると思います。

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2008年10月19日
最近の金融危機や株価暴落について

9月のリーマンブラザーズ破綻を切っ掛けに金融危機が深まってきましたね。
今回の問題の発端の一つはブッシュ大統領が「温暖化対策は経済に悪影響がある」とか言って、国として対策を企業に対して取らしていなかったことが原因と考えられます。
特にアメリカの自動車産業はガソリンがぶ飲みの大型車中心でしたね。燃料電池車の開発とかは細々としていましたが、ガソリン車での対策は全くしていなかったといっていいでしょう。
そこへ「原油高」、ガソリン価格高騰で大型車の売れ行きが落ち込んでいきましたね。ガソリンやいろいろな資源価格の上昇で消費数量の減少、自動車販売台数の減少は雇用に悪影響を及ぼしているはずです。それが、住宅買い控えとして現れたのでは。
ところが、アメリカの住宅はバブル的に価格が上昇していたというのです。それだけなら、マシですが、アメリカの住宅ローンは「担保価値が増加したときは借り入れを増やしやす」ので、借り入れを増やして消費に当てる場合が多かったというのです。
そこに原油高などによる経済状況の悪化で住宅需要が少しでも現れると、「担保価値の低下」→「超過分の返済が必要に」→「住宅売却の増加」→「さらなる住宅売却の増加」→「ローン債権の価格下落」→「金融機関の業績悪化」と繋がってきたのでは。
原油高がなくても、数年後には同じようなことが起こっていたかもしれないです。
「温暖化対策」の基本は「省エネ・省資源」への取り組みなのですね。これは企業や国、地域の競争力を高めることになります。
浪費状態で資源高になったため、見かけ上「回っていたローン」が回らなくなったのが原因でしょうが、もう一つ、「債権の証券化」でいろいろな債権を混ぜて販売したため、サブプライムがどの程度混じっているのかが判らないため、ローン証券の価格が必要以上に暴落したというのもあるでしょうね。
最近の株価暴落ですが、統計とか数字がでてからですね。これらの数字は実体経済より遅れて出てきます。大体がGMとかFordの経営危機があって、日本車などの販売台数も減少していたら景気にかげりがあるのは当然でしょう。それが、判っていないから、統計の発表で大騒ぎとなるのでは。数字過信で現実が見えなくなっているとしか思えないです。
日経平均で7000円前後まで下がる可能性がありますね。それと、この頃の株価の大きな変動はプログラム売買が原因のようです。担当者は考えていない。

2008年10月17日
文部科学省事務次官 教育委員会による学力テスト開示に「適切でない」

10月6日の記者会見で『「市町村教委は学校別の成績を公表しないことを前提に参加しており、適切でない」と不快感を示した。』というのです。
久しぶりにまともなことを事務次官が記者会見で述べましたね。
今の日本の状況は「背景をなにも考えないで順位で判断」なのですね。ですから、「学力とは」を考えずに記憶のみでできるようなテストの得点で順位を争ったりしています。
公立学校では、どの地域に立地しているのかとか、どのような教員が配属されているとかなどで学力が大きく違ってきます。でその「学力」とは?ですが、学力テストは詳細に検討すれば、児童生徒の学力向上に使えると思います。でも、順位で判断するようになると昭和40年代のアホみたいな事態になってしまうと思うのです。
今、各地で過去の二の舞になりつつあるような気がしてならないのです。不正で学校平均が90%を越えるとかいうようなことですね。テストの意味をよく理解している場合は公開しないでしょうね。
ただ、文部科学省は不利な状況の子供の多い地域に予算配分を増やすような工夫をしてほしいですね。財務省に理解させて下さい。国会議員に理解させて下さい。国民に理解させて下さい。

2008年10月15日
ETV特集「戦争は罪悪である〜ある仏教者の名誉回復〜」を見て

10月12日に放送されていました。日中戦争開戦時に「戦争は罪悪。この戦争は侵略である」と見破った僧侶の話でした。
当時、ほとんどの宗教宗派が戦争に協力していました。これは、どこの国でもあることかもしれませんが、日本の場合、国家神道との関係もあってより協力的であった可能性があります。
なにせ、初詣に始まり、お彼岸、花祭り、お盆、お彼岸、新嘗祭、クリスマス、除夜の鐘とはしごする民族ですからね。キリスト教でも一部を除いて反戦はなかったようなので、仏教では「協力一色」だった可能性が強いですね。
国内の反対勢力を抑圧することで自らの思いのままに戦争を推進していた時代です。そのときに「戦争は罪悪。この戦争は侵略である」と説き始めたら、官憲にとってはゆゆしき事態ですね。それに、周りの住民にとっても「御上」(天皇を含みません)の威光に逆らっているわけですから、検挙裁判になりました。それでも、信条を曲げなかったのが真宗大谷派の高僧・竹中彰元であったというのです。真宗大谷派はこの事件で布教使資格のはく奪処分をしています。戦争協力状態でしたから当然かも。
問題はどうして名誉回復に70年も時間がかかったのかということです。戦争をしていなければ、大日本帝国憲法のままであるだろうし、近隣諸国民に多大な被害を与えることもなかったであろうし、国内的にも空襲を受けることもなく、また、戦場で戦死する者もでなかったであろうにです。
その戦争反対を唱えた僧侶や知識人、キリスト教信者は投獄されたりしています。それらの名誉の回復が遅々として進んでいない現状があるから、このような番組が作られたのでしょう。先週は「戦場の報道カメラマン」でした。
戦争をして勝てる見込みはなかったと思うのですが、軍部は理解できていなかったのでしょうね。状況判断ができないということでした。それと、同じ状況が現在の官僚にも見られます。「歴史を鏡」とする意味を理解してほしいですね。今度は戦争もできずに自滅しそうです。

2008年10月13日
中高生の喫煙「たばこ千円なら吸わない」厚労省研究班調査より「教師が吸わないことの効果も」

10月8日に厚生労働省での発表ですね。
厚生労働省研究班の調査によれば『たばこを吸っている人は1箱いくらならやめると思うか」という問いに、64.5%の生徒が「千円以上」とした。』というのです。まあ、高くすれば喫煙率が下がるのは当たり前かも。
それより、喫煙率についての部分で『喫煙率は、中学男子2.3%、女子2.0%、高校男子9.7%、女子4.7%と、いずれも96年時の調査と比べて半分以下まで下がった。』というのです。
発表の中で『大井田教授は「校内を全面禁煙にするなど、社会の禁煙活動が浸透した結果ではないか」としている。』ということですね。学校敷地内禁煙だけで「半減」ですよ。学校での教師の喫煙可能場所が狭くなるにつれて生徒の喫煙も減少してます。たいして値上げもしていないのにです。こちらの方の効果も大きいですね。さすがに「大人の背中を見て育つ」ですね。ということは、健康やスポーツに関わっている大人などの喫煙が小中高校生に悪影響を与えているという疫学的証明になっていますね。
「教育」で一番影響を与えているのが身近な大人ですね。このことを忘れないようにしましょう。

2008年10月11日
戦争現場と報道写真

10月5日のNHKのETV特集「戦場カメラマン小柳次一〜日中・太平洋戦争従軍5千キロの記録〜」は「戦争現場と報道写真」の状況を考えさせる番組でしたね。
戦争というか戦闘場面とその報道との関係ですね。日本は早くから気がついていた?のか「戦意高揚」に繋がるような写真ばかりが大本営より発表されていましたね。
日露戦争のときからですかな。旅順攻撃での英雄的な場面とかですね。「軍神」とかですね。
実際は国民の目を現実の戦争から騙すためでしたね。旅順で203高地を確保するためには大砲の威力でロシア軍の機関銃などを破壊があって、突撃が生きてきたのに、あとあと「突撃賞賛」のみで扱っていたようですね。それが、日本軍の「突撃大好き症候群」に繋がったのかもしれないですね。
「戦場の現実」と「兵士たちの素顔」を国民に広く知らせることが報道には求められているのに軍の意向に沿っていたのが現実でしょうか。そして、多くの国で同じようなことが多かれ少なかれ起こっているようです。しかし、日本は徹底していましたね。そして、今でも『「戦場の現実」と「兵士たちの素顔」』はなかなか出てこないですね。
アメリカではベトナム戦争に対する反戦運動を盛り上げた要因の一つに「悲惨な状況(アメリカ兵のやベトナム人)の写真」があったようですね。戦争を続けたい為政者にとっては死者数より『「戦場の現実」と「兵士たちの素顔」』の方が怖いようです。
ソマリアからアメリカが撤兵した理由が「殺されたアメリカ兵の死体がトラックで引きずられていた」状況が放送されたというのが国民的撤兵要求に繋がったとか。ソマリアはベトナムの違って国連軍の一員だったかな。
そして、多くの報道は正確であるということと多面的であるということは両立しないようです。正確であっても偏った立場からという場合が結構あるので注意する必要があると考えます。
ただ、日本の大本営は酷かったですね。それが、大日本帝国憲法を潰し、天皇陛下に「死」まで覚悟させたのです。
いろいろな立場からの報道ができる社会を維持する必要があります。ただ、「個人情報の暴露」と「表現の自由」「報道の自由」を混同しないでほしいですね。

2008年10月9日
大学生相手の講義ノート販売低迷

10月4日に朝日新聞のサイトに出ていた『「講義ノート屋」氷河期 京阪神の大学で「閉店」』を読んで思ったからです。
販売低迷の理由として「出席率の向上」、「ノートの質の低下」などがあげられていました。
「出席率の向上」ですが、出席を取る授業が増えた、学生のまじめ化 があげられていました。「まじめ化」はよい現象でしょうね。でもね、出席率が向上しても学力向上に結びついているかどうか疑問のデータもありますね。
「ノートの質の低下」についても、「出席したこととか、板書をノートに写したか」を評価されることにならされてきた点が結構あるような気がします。それが、ノートの質に低下に繋がっているように思われます。昔のノートには板書以外の口述を書き留めた部分とかテストに出そうな要点とかが記述されていたとか。今は多くが写しただけだというのです。完全な受け身ですね。
ひょっとして、大学でも定期考査で「ここが出る」とかいってもらわないと困るような学生が増えてきているのでしょうか。
「ここが出る」とかいいながら板書すれば、皆書き留めますね。
京都大学の工学部である化学の科目で以前と同様のレベルで試験をしたら不合格率が約10%から約40%に跳ね上がったとか。勉強の質が昔とは変化した結果なのでしょうね。
このこと(講義ノート販売低迷)がよい方向へのシグナルであれば思います。

2008年10月7日
重大な薬害をもたらしたサリドマイド再承認へ

10月4日の日本経済新聞朝刊に「サリドマイド再承認へ 厚労省、厳重な安全管理条件」という記事が出ていました。
サリドマイドは1958年から販売が開始され、1962年に販売が中止されました。薬害については「サリドマイド」で検索するだけででてきます。それだけ、悲惨であったということですね。
では、なぜ、これほど被害者が増えたのか。これは企業の金儲け主義、官僚の怠慢によりますね。事実、アメリカではほとんどこの薬害が出ていません。これはFDA(アメリカ食品医薬品局)という官庁の判断によるところが大きいということです。
企業の金儲け主義と官僚の怠慢はその後も続き、日本を「薬害大国」にまでしてくれました。そして、漸く「副作用」による危険性情報を収集、公開するようになってきたのですね。本来、このサリドマイドの時、構築すべき仕組みはその後に幾多の犠牲者がでて漸くという感じです。
現在は、臨床試験などで副作用についても以前より厳重に調べるようになりましたが、それでも、ということなのですが、副作用の報告が集まるようになってきたおかげで多くの人が犠牲になるということは避けられるようになってきているようです。
キノホルム薬害は、医師が「効かないからと増量と長期連用」したからというのが大きいようですね。その上、副作用を収集するシステムもなかった。「効かない」ときはその薬の使用を止める、または、別の薬に変えるという原則さえ守っておれば起こらなかった薬害です。
薬の副作用は実際の使用をはじめてからわかるものもあります。その情報を如何に迅速に収集し検証して公表するかに掛かっていると考えます。今回の再承認では、厳重な使用管理が適応されるということです。
しかし、他の薬品についてはどうでしょうか。副作用情報の適切な公表を行う義務が企業や厚生労働省にあると考えます。血液製剤では、アメリカで危険性が指摘されていてもその情報を無視した日本です。「薬害大国日本」の汚名が返上されるのはいつのことでしょうか。

2008年10月5日
ピント外れが輩出する民族、「日本民族」

 9月25日に中山成彬国土交通相(当時)が「ごね得」とか「単一民族」とか「日教組」とかの発言をしましたね。そして、すぐ撤回。まあ、「日教組」についてはその後も。しかし、辞任に追い込まれましたね。
表題は「ピント外れ」としましたが、「原因と結果」の関係が理解できていない。「現状だけ見て背景を考えない」ということから「ピント外れ」が起こるのでしょうね。
 成田空港の設置決定自体に問題があったのですが、反対派の農家で現在も頑張っているとか、仕方なく応じた農家に対して「ごね得」とか言っているわけですね。「ごね得」というのは、「適度にごねて相手側から得ることのできる自分の利益だけを追求する」ということでしょうね。今も頑張っている反対派農家はこの点から考えると全く外れています。仕方なく応じた農家もです。「農業を続けたい」という思いからですね。それを「ごね得」と言った大臣は「小学校レベルからの国語」の勉強をして下さい。
外国人観光客とかで「日本は随分内向きな、単一民族といいますかね・・・」とか言っていますね。観光客にはまだ愛想はいい方だと思います。それより、定住他民族に対する対応こそ問題でしょう。排他的ですね、「大和民族」は。常日頃、排他的で意識の外に押しやっているから出てくる言葉でしょうね。養老孟司氏のいう「バカの壁」を作っているのでしょうか。
 「日本教職員組合」のことでも、昭和40年代の「全国学力テスト」ができなくした原因は「日本教職員組合」というより、各県のはしゃぎすぎ、特に四国のほうのはしゃぎすぎかな。ある県では学校平均が90%を越えた学校もあったとか。灘中学校・筑波大学付属駒場中学校でも起こりえないことが起こった学校があったとか。そこは「日本教職員組合」の組織率が低いですよ。本来のテストの意味を壊したのは「日本教職員組合」ではなく、そのはしゃぎすぎたところなどですね。
 どっかの県知事が大学入試センター試験の平均点が低いとかいって問題にしたのがいましたね。あれ、業者が回収した自己採点による申告分ですね。それと、受験層の問題とですね。全員受験ではないので比較には使えないです。さらに比較に使って意味があるデータとも思えないです。灘高校・筑波大学付属駒場高校などでは学校平均が80%を越える可能性がありますね。そのような学校を多く抱えるところが有利になります。中学校あたりから全寮制や県外通学も出てきますから、地方公共団体単位では意味はなさないでしょう。
「日本教職員組合」でも御用組合としてしか機能していないところもあります。そういうところも組織率は高いですね。どこでも、跳ね上がりがいたりしますが、今の「拝金主義」とかは学校教育と言うより、政権与党などの「金権」政治などによる教育効果だと思います。
「日本教職員組合」の組織率は極端に低いか高いところは教育委員会というかその地域の教育に対する考え方に問題があることの現れではと思います。
報道によると大分県での教育汚職で捕まっているのは管理職ばかりですね。組合員ではないです。報道資料を勉強し直す必要がありますね。その後もピント外れがよくありますね。「大阪府」と「大阪市」を混同していたりとか、現在と過去の混同とか、学習をし直す必要があると思います。だから、生涯学習が大切なのです。
 特段、大臣だけが問題ではないのです。「原因と結果」の関係が理解できていない。「現状だけ見て背景を考えない」ということから「ピント外れ」を起こしているのがいろいろな分野で見られることです。
 例えば、医療関係で「糖尿病」ですね。日本人では動物性タンパク質と脂肪の摂取量の増加に比例して増加してきているのです。にもかかわらず、糖尿病になってしまった結果としてでてくる症状の高血糖値を原因と取り違えている医療関係者が多数います。以前から「酒飲みのおじさん」に患者が多かったですね。酒飲みは高カロリー低繊維食をしています。炭水化物主体になると「低カロリー高繊維食」になります。それと、グルコースは満腹中枢を刺激して食事量を制御してくれていますが、脂肪分は空腹中枢のほうですね。炭水化物を摂取しなくても、アミノ酸や脂肪酸でもインスリンが分泌されます。炭水化物を摂取していないと低血糖になる恐れがありますね。そこでからだは肝臓にグルコースを作るように命令するホルモンを出すことになります。すると、肝臓は相反する命令を同時に受けることになります。生命維持のため、インスリンの方を無視し始め、インスリンにたいする抵抗性がでてきて、糖尿病になっていくと考えられます。ただ、タンパク質、脂肪、炭水化物のどれも食べ過ぎはダメですよ。
 日本には「ピント外れ」がまかり通りやすい体質があるということを理解し、その対策を考える必要があります。
この「ピント外れ」を書く切っ掛けを作ってくれた中山成彬元国土交通相が引退を表明したということです。気がつかれたからでしょうね。問題は気付かずピント外れを繰り返す懲りない面々が多数いることだと考えます。

2008年10月3日
学習と活用意識と相乗効果

9月22日の日本経済新聞教育面のコラム「数字は語る」で「全国学力テストと生活態度との関係」についてが「活用意識で相乗効果」という見出しで書かれていました。
「新しく習った漢字を実生活で使おうとしているか」で、「当てはまる」と答えた児童生徒の層の方が国語だけでなく、算数・数学とも高かったというのです。また、算数・数学に関して「学習したことを生活の中で活用できないか考えるか」の設問に「当てはまる」答えた層の方が国語の正答率も高かったというのです。
どちらも、実生活で活用できるように使用という意欲が学習の定着を促進していると考えられるのですね。
実際、学校での学習内容は実生活で役にたちますよ。「読み書きそろばん」は当然として、数学での「論証」、地歴公民での社会全体に対する理解の深まり、理科による自然や科学技術への理解、その他いろいろなところで役にたっているのです。
ところが、勉強に対する意識とテストなどの評価方法のまずさによって「勉強は暗記」という後々使い物にしにくい形になってしまっているのです。
人間は「教育」されることによって、漸く人間になれるのです。学習したことがらは活用されて、はじめてその人にとって使える形で記憶に残り、いつでも再利用できるようになるものだと思います。

2008年10月1日
日本企業の「科学的鑑識眼」と行動力の欠如

9月22日の日本経済新聞文化面「私の履歴書」の中の一節です。著者は理化学研究所理事長の野依良治氏です。
このことの意味するところですね。一体何を言おうとしているのか。本文中では『一方で、日本企業の「科学的鑑識眼」と行動力の欠如は全く情けない限りだ。』でした。
経営者の多くが、俗に言う文系出身ですね。そして、理数系科目が不得意であったとかを自慢するような国ですね。理数系科目の素養のないものには「科学的鑑識眼」が育ちにくいですね。結局、「判らない」だから「手を出さない」、それで、欧米等に先行されていることを「後追い」することになるのでしょうか。
光ファイバーでは、西澤潤一氏が発明しているの、わざわざアメリカ企業から特許を導入した企業がありました。日本の科学を見る目がないのですね。欧米盲信。
一部の企業の経営者に「科学的鑑識眼」があり、且つ行動力のあった人たちが、行動をおこして、基礎的研究から地道に積み上げてきたところがあったお陰で今日の日本があるのだと思います。
科学行政を担当している官僚にもバカはいるようです。
それもこれも日本での自然科学教育が「暗記」に偏っているためでしょうか。学習していても「理解」できていないため、活用できないのです。
今、日本の自然科学や工学、農学などが危機に瀕しているようです。それは、深刻な学力低下と好奇心欠如によると思います。