歴史教育の問題点  諸々の言いたいこと「歴史」

2005年4月5日
歴史認識について

このテーマはよく書いています。
日本は「歴史を鏡とする」ことがヘタですね。司馬遼太郎氏は、「雑談 昭和への道」で「自己解剖の勇気」というテーマについて話されています。
例えば、「南京の虐殺」についてですが、中国人にとっては日本軍が南京まできたことによって引き起こされていますね。日本軍が来なければ起こっていないのです。だから、トルコでは、この手の「反日感情」は絶無だと思います。
原因について、考察することは日本にとっても大きな利益があるはずです。それをせずに当時と同じような精神構造のまま招いた失敗の一つが「バブル期の土地投機」だと思います。なにも考えずに「皆で渡れば怖くない」的発想は当時と全く変わっていないと思います。
何も考えていない例が、有明海の干拓事業にも出ていますね。高速道路も地場のしっかりしているところ以外は土建終了で効果は終わっているのに「高速道路」と叫んでいますし、空港も閑古鳥の鳴いているところも多いですね。それでも、「公共事業」を求めますね。
日産のゴーン氏は、「日産の目標は過去の延長線上にあって達成可能なことで、社員の活力を向上させるためには達成できる必要がある。」というような意味のことを言われていました。
この場合も日産の過去と現在に対して冷静な検証と反省が必要ですね。
日本は国の単位では、このような検証と反省をしてきたとは思えません。
今のままでは、また、あの自滅への道となった戦争の時のように「自滅」の方向に進むのではと危惧しています。
さらに、拉致事件や空襲を日本人が忘れないようにアジアの諸国民は、太平洋戦争での被害を忘れないと思います。
教育でも、検証もせず「相対評価」にどっぷりつかっているところが多いですね。
健康面も、偽情報によく騙されて人が結構います。
それで、ここまで日本が発展できたのが不思議です。

2002年08月25日 日曜日
 狂牛病問題ですが、牛肉の偽装は犯罪行為で許されべきものではありません。しかし、狂牛病の日本での発生の経緯を見ると非常に日本的な問題があります。外部からの指摘に耳をかさない。過去の失敗例を教訓としない。EUから指摘があったにもかかわらず放置した農林水産省も厚生労働省と同じように不作為の犯罪行為を侵していると思います。大臣よ、官僚も処分しなさい。同じような失敗を繰り返さないために。

2002年08月15日 木曜日
「終戦の日」が来ました。私なりに調べた範囲によると、日露戦争での戦後処理(日本軍内部)のあり方がデタラメであったために軍部内において歯止めが効かなくなり、最後には「大東亜戦争」まで「ずるずると」突き進んでいったと思います。日本の未来を考えるうえで大切な時代(調べれば調べるほど嫌になる時代、体に悪い時代)なのですが、表面的にしか取り上げられてません。取り上げようとすと「ひょっとして国内の問題でできない。」日本的ですね。これでは、あとの世代が可哀想です。大日本帝国憲法を改正させられるような戦争に突入したのは誰ですか。日本人の国民性を考えると戦争をしていなければ、いまも帝国憲法のままだと思いますがね。

入試が邪魔をして歴史認識において「多様な価値観」があることを考えさせようとしていない。日本人で「歴史を鏡とする」という意味を分かっている者がどれだけいるか問題である。大学においてもこの点について、十分検討しているところは少ないのではないか。

過去を振り返ってみて失敗した事項などをよく検討して教訓としないと未来も見えなくなる。日本にはその失敗事例がたくさんあるが教訓とされていものはほとんどないように思われる。小泉改革に対する自民党、官僚の反応を見ればよくわかる。将来を見ていない。現状維持のみに勢力を傾けている。その結果、その事業自体も未来もなくなってきているのでは。

 日露戦争を見るとその後の日本がどうしてあのような戦争に突入していったのかがある程度わかると思います。ところが、今の教科書などではわからない。どうしてでしょうか。
 日露戦争をよくみてみると、日本軍の重火器はロシア軍に対して劣っていたわけではなく、多くの場合、同等以上あったそうです。日本軍か苦戦した原因は、旅順攻撃の長期化が原因だと思います。近代要塞に対する無謀な突撃の繰り返しで多くの兵士の方が戦死したりしました。そのため、多くの人命が失われるとともに、海軍では戦艦が機雷にふれて沈没するという損害を受けています。戦争中の大本営の対応も問題になるのですが、戦後、この件について203高地での爆弾3勇士などを全面に出し、本来問題になるべき指揮ミスの点が葬り去られています。どうしてでしょうか。
 これと同じような失敗を覆い隠しなかったことにするすり替えが日本では横行しています。歴史教育とはこのような問題点を見抜き、より良い未来を築くために行われるはずが、単なる暗記物になっているのが現状ではないでしょうか。